熱中症について

【熱中症とは】

その字の通り、『熱に中(あた)る』ことです。暑熱環境で発生する障害の総称で次の4つに分類されます。

1.熱失神:皮膚血管の拡張によって血圧が低下し脳血流が減少した状態です。めまい、失神などがみられます。顔面蒼白、呼吸回数の増加、唇のしびれなどがみられ、脈は速くて弱くなります。
2.熱疲労:汗を大量にかき、水分の補給が不足すると脱水となります。脱水により脱力感、倦怠感、めまい、頭痛、吐き気などがみられた状態です。
3.熱けいれん:汗を大量にかき、水だけを補給して血液の塩分濃度が低下した状態です。足、腕、腹部の筋肉に痛みを伴ったけいれんがおこります。
4.熱射病:体温の上昇のため中枢機能に異常をきたした状態で、意識障害がおこります。意識障害とは、応答が鈍い、言動がおかしい、意識がないなどの状態です。そうなる前に、頭痛、吐き気、めまい、血圧の低下などがみられることもあります。多臓器の障害を合併し死亡する危険もあります。

種目の中ではランニング時の発生が多いので、ランナーの皆さんは特に注意が必要です。

【熱中症の予防】

暑い時にはこまめに水分をとることが大切です。体重の3%の水分が失われると運動能力や体温調節能力が低下し、熱中症になる可能性が出てきます。運動による体重減少が2%をこえないように水分を補給しましょう。また、大会前には塩分摂取を少し増やしましょう。 また、ウエアも重要です。素材によって含気性、通気性、保温性、吸湿性、放湿性などが異なります。走る時の天候に合わせて、気に入ったものを何種類か準備しておくといいでしょう。

水中毒について ・・・水中毒をご存じですか? 水の摂りすぎにも注意!!

【水中毒とは】

ところが、水は摂ればいいというものでもありません。水のとり過ぎにも注意です。塩分をとらず水だけを飲み過ぎると血液中のナトリウム濃度が低下します。これが“水中毒"の状態です。めまいや吐き気、息切れ、増蓄的頭痛(脳の膨張による)、手足のむくみがみられ、重症の場合は意識障害をおこします。

【水中毒は怖い】

極度の水中毒になると昏睡状態に陥り、致命的になることもあります。水中毒の報告は近年急激に増えています。

【水中毒の予防】

1.適切な水分のとり方
①塩分:水分の組成としては0.1~0.2%の食塩を含んだものが適しています。市販の飲料を選ぶ場合は成分表示を見てください。100ml中にナトリウムが40~80mg入っているものがいいでしょう。
②糖分:運動量が多い場合は糖分の補給が望ましいです。4~8%の糖分を含んだものがいいでしょう
③量:普段の練習の前後で体重を計り、練習の後に体重が増えているようなら次回の練習では水の量を減らしてみるといいでしょう。ランニング中に体重を測定できればいいのですが、レース中に汗の量や体重を測定するのは困難です。水は本当にのどの乾きを感じた時に摂るようにし、不必要に摂らないようにしましょう。また、1時間に800ml以上は摂らないようにした方がいいでしょう。

2.塩分の摂取
①大会前の食事
汗を多量にかく方、特にシャツが白くなる方は汗に塩分が多く含まれている方です。大会の数日前から少し塩分を多めにとりましょう。また、当日の朝食は必ず食べましょう。
②塩飴
レースで4時間を超えそうなランナーの方は、「塩飴」を持参し途中でなめるといいでしょう。東京マラソン大会当日は、救護所に若干の「塩飴」を配備しています。不調のランナーにはお分けすることもできますが、数には限りがありますのであらかじめご了承ください。

3.薬について
非ステロイド系の抗炎症薬(イブプロフェン)を飲んでいる人は、水中毒になる可能性が高くなるという報告があります。それは薬剤が腎臓の機能を低下させる為です。内服薬を飲んでいる方は特に注意が必要です。

水を摂らなすぎては脱水症になり、摂りすぎで水中毒になるという、その適量のバランスを保つのはなかなか把握しにくいものです。普段の練習で、体重変化を意識した水分のとり方を考えてみてください。

低体温について

【低体温とは】

ペースの遅いランナーに多く見られます。強い寒気が出て走ることができなくなるほか、ひどい場合は脈拍数が減少し、死に至る可能性もあります。
冬のマラソン大会は気温が低く、特に気温が12℃以下の場合に多く見られるようです。周囲の気温が低いため、体内で熱を産生してもそれ以上に熱が奪われてしまうのが原因です。

【低体温の予防】

2時間台で走るエリートランナーのような軽装で走るのはやめましょう。ペースの遅いランナーはスタートでは少し厚着にすることをお勧めします。気温や体調によって脱いだり着たりできるように、脱着しやすく、また脱いだだあとも簡単に携行できるような服装を選びましょう。